夜通し鳴き続ける愛犬に付き添ううち、「薬で眠らせてあげられないか」と考える方は少なくありません。実際、動物病院では夜鳴きに対して薬が使われることがあります。この記事では、どんな薬が使われるのか、サプリメントはどの段階で選択肢になるのかを、動物病院が公開している情報をもとに整理しました。
- 動物病院で夜鳴きに使われる薬の種類と、それぞれの位置づけ
- サプリメントや療法食が選択肢になりやすい段階
- 薬を検討する前に確認したいことと、相談すべきタイミング
ご注意ください この記事で挙げる薬はすべて、獣医師の診察と処方が前提です。人用の睡眠薬や鎮静薬を自己判断で与えることは絶対に避けてください。薬の選択、用量、他の薬との組み合わせは、その犬の状態によって変わります。実際の使用については必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
「犬用の市販の睡眠薬」は存在しない

前提として、ドラッグストアやネットで買える犬用の睡眠薬というものはありません。動物病院で使われるのは、人の医療で使われている薬を獣医師の判断で用いるケースが中心です。
おだわら動物病院は、認知症の症状が進行した場合に薬を使う選択肢があるとしたうえで、その子によって効き方が異なるため、用量や組み合わせを調節していくと説明しています。同じ薬でも反応は一律ではなく、調整が前提になる領域だということです。
動物病院で使われる薬の種類
眠りをコントロールする目的の薬
ドクターオザワ動物病院は、昼夜が逆転し夜鳴きがあるなど、介護する飼い主にかなり負担がかかるような場合、犬や猫の睡眠時間をコントロールするために抗不安薬や鎮静剤を投与することもあるとしています。
はら動物病院は、実際に使用している薬について具体的に説明しています。抗うつ剤については、脳内のセロトニンの量を増加させることで抗不安・鎮静作用を発揮するとして、同院ではトラゾドンを使用しており、同効の他の薬と異なりせん妄を誘発しないと言われていること、副作用として眠気があるため動物の夜鳴きにはちょうど良い薬であると述べています。
「副作用の眠気を目的として使う」という考え方は、睡眠薬をイメージしていた方には意外かもしれません。
認知症そのものに働きかける薬
はら動物病院は、認知症治療薬の代表格としてセレギリンを挙げ、パーキンソン病治療薬で脳内のセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンを増やす効果があり、北米では犬の認知症治療薬として認可されていると説明しています。ただし同院は、多くの薬が併用禁忌や併用注意となるため自院では使用しておらず、症状全般への治療薬として処方するなら塩酸ドネペジルになると述べています。
ONELife行動クリニックグループも、塩酸セレギリンを最もエビデンスが多い薬として挙げています。
同じ薬について、病院によって採用の判断が分かれている点は知っておいて損がありません。かかりつけで使わない方針であっても、それは効かないという意味ではなく、他の持病や併用薬との兼ね合いを含めた判断だということです。
漢方や他の選択肢
ONELife行動クリニックグループは、犬の認知症に用いる薬として、トラゾドンやセレギリンのほかに抑肝散などの漢方薬、抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系薬、メラトニンなどを挙げています。同グループは、これらの薬やサプリメントには一般的な動物病院で処方されていないものも多いとして、獣医行動診療科の受診も選択肢になると述べています。
処方された薬で変化がなかった場合、そこで終わりではないということです。
サプリメント・療法食はどの段階で選ぶか
ドクターオザワ動物病院は、認知症予防や発症初期においては、抗酸化作用があるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などのオメガ3脂肪酸が含まれたサプリメントや療法食が効果的であると考えられているとしています。
注目したいのは「予防や発症初期においては」という限定です。おだわら動物病院も、兆候が見られた段階で軽い運動をする、コミュニケーションをしっかりとるといった行動修正やサプリメントを用いて予防に取り組んでいた症例を紹介しています。
一方で、進行した段階でも役割がなくなるわけではありません。壱岐動物病院は、痴呆症という診断になっても、動物病院で処方される特別療法食やサプリメント、薬剤で症状をコントロールできることもあると案内しています。
整理すると、サプリメントや療法食は「早い段階ほど選択肢として挙がりやすく、進行後は薬と組み合わせて使われることがある」という位置づけになります。夜鳴きが始まってからサプリだけで解決しようとすると、時間を失う可能性がある点には注意が必要です。
毎日のごはんからまとめてサポート

愛犬用エイジングケアサプリ
「CiNAG(シナジー)」
年齢を重ねると、口臭やお腹の調子、食欲など、さまざまな変化が気になってくることがあります。
CiNAGは、「消化・吸収・菌活・代謝」の4つに着目し、酵素・乳酸菌などの菌類・ビタミンB群・タウリンなどを組み合わせた犬用サプリメントです。生後6か月頃からシニア犬まで使用できます。
- 11種類以上の酵素を配合
- 乳酸菌・酪酸菌・枯草菌・酵母など複数の菌類を配合
- ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンEを配合
- タウリンやオリゴ糖など幅広い栄養成分を配合
- ごはんや水、おやつに混ぜるだけで与えられる
- そのまま舐めさせることも可能
- 生後6か月頃からシニア犬まで使用できる
口臭やお腹の調子、食欲などが気になってきた愛犬に、普段の食事へプラスして取り入れやすいサプリメントです。
体重によって1日の目安量が異なるため、公式サイトを確認しながら調整してください。
\ いつものごはんに混ぜるだけ /
薬を検討する前に確認したいこと

夜鳴きの原因は認知症とは限らない
痛み、暑さや寒さ、空腹、排泄、不安。夜に鳴く理由はいくつもあり、それぞれ対応が異なります。原因が別にあるまま眠らせる薬を使っても、根本は変わりません。
▶関連記事: 老犬の夜泣きに耐えられない時の乗り切り方と受診の目安
他の薬との組み合わせ
高齢犬は心臓や関節、内分泌の薬をすでに飲んでいることが少なくありません。はら動物病院がセレギリンについて併用禁忌や併用注意の多さを理由に挙げていたように、飲み合わせは選択を左右します。受診時には、現在使っている薬とサプリメントをすべて伝えてください。
記録を持っていく
何時ごろから何分くらい鳴くのか、日中は寝ているのか、鳴いているときに何をすると止まるのか。この記録があると、薬の要否や種類の判断がしやすくなります。
相談すべき目安
次のような状態であれば、受診のタイミングです。
- 夜間の鳴き声が毎晩続き、家族の睡眠が確保できていない
- 昼夜が完全に逆転している
- 鳴いている間、体をこわばらせている、痛がる様子がある
- 処方された薬を使っても変化がない
おだわら動物病院は、高齢犬の夜鳴きについて抱え込まずに相談してほしいと呼びかけています。介護する側が眠れていないという事実そのものが、相談する理由になります。
▶関連記事: 老犬の介護と寝たきり対策|床ずれ予防・歩行補助で飼い主もラクになるコツ
まとめ
犬の夜鳴きに使える市販の睡眠薬はありませんが、動物病院では抗不安薬や鎮静剤、トラゾドンのように眠気を伴う薬が使われることがあります。認知症そのものに働きかける薬としてはセレギリンやドネペジルが挙げられ、採用の判断は病院によって分かれます。
サプリメントや療法食は、予防や初期の段階で選択肢に挙がりやすく、進行後は薬と組み合わせて使われることがあります。いずれにしても出発点は、夜鳴きの原因を確かめることです。眠れない夜が続いているなら、それ自体を理由にかかりつけの獣医師に相談してください。

