猫のために酸素室を検討しているけれど、悪い面も知ってから決めたい
——その考え方は正解です。
酸素室は呼吸が苦しい猫の自宅ケアを支えてくれる一方で、費用や設置環境など、導入前に知っておくべき注意点がいくつかあります。良い面だけを見て契約すると、「思っていたのと違う」と後悔しかねません。
この記事では、デメリットを正直に整理したうえで、それぞれの対策までお伝えします。
- 猫の酸素室の主なデメリットと注意点
- 実際に1か月レンタルして分かった費用・設置スペース・稼働音の数値
- 各デメリットへの現実的な対策
- それでも導入する価値があるかの判断基準
デメリットの大半は「レンタルの選び方」でカバーできる

先先に結論をお伝えすると、猫の酸素室の主なデメリットは費用・設置環境・機器トラブルの3系統に整理でき、その多くは契約形態(レンタルか購入か)とサービス選びで軽減できます。
なお当サイトでは、15歳の猫がいる環境で酸素室を1か月レンタルし、費用・設置スペース・稼働音を実際に計測しました。この記事では、そのとき記録した数値もあわせてお伝えします。

デメリットを一つずつ見ていきましょう。
デメリット①:継続的な費用がかかる
酸素室は導入して終わりではなく、使い続ける限り費用が発生します。しかも、公式サイトに表示されている月額だけでは実際の負担が読めません。
- レンタル料:サービスによって料金体系が大きく異なります。ユニコムは1ヶ月9,000円(税込)のレンタル料に加えて基本契約料5,000円がかかる方式、オーツーペットは基本契約料がない代わりに1ヶ月プランが27,500円という方式です
- ケージ代:濃縮器だけを借りても、酸素を溜める空間がないと使えません。ケージを持っていない場合は別途レンタル料が必要になります
- 電気代:酸素濃縮器は連続運転する機器のため、レンタル料とは別に電気料金がかかります。24時間稼働で実測したところ、1日あたり約182円、30日で約5,454円でした(単価22円/kWhの場合)
- 購入の場合:酸素濃縮器本体で10万円以上かかるケースが多く、短期間で不要になる可能性があります
当サイトでオーツーペットの「1か月+ケージレンタルプラン」を契約した際、実際に請求された金額は35,200円(税込)でした。これに電気代を加えると、初月の実質負担は4万円を超えます。
対策
「初期費用0円」「月額◯◯円〜」という表示だけで判断せず、初月に実際に出ていく金額で比較してください。基本契約料がかかるサービスでも、月額が低ければ総額では安くなることがあります。逆に基本契約料がなくても、月額とケージ代を足すと高くなる場合があります。
業者への問い合わせでは「うちの子に必要なケージを含めて、初月に支払う総額はいくらですか」と聞くのが確実です。あわせて、自分で電気代を計算に入れておいてください。
請求書の実物と使用時間別の電気代の試算は、実際に支払った金額と電気代の記録で確認できます。料金体系ごとの比較は下記の記事をどうぞ。
▶関連記事:猫の酸素室レンタルはどこがいい?料金相場と失敗しない選び方を解説
デメリット②:設置スペースと稼働音が必要になる
酸素濃縮器とケージを置くため、室内に一定のスペースが必要です。実際に濃縮器とケージを並べて床に接する範囲を測ったところ、55cm×110cmが必要でした。濃縮器の側面には空気の吸い込み口があり、壁や家具で塞ぐことができないため、周囲に隙間を空ける必要があります。吸気側を外に向けて置くと55cm×102cmまで縮められました。
また、濃縮器とケージは付属のチューブでつなぐ構造です。チューブの長さは約2m7cmだったため、離れた部屋に濃縮器を置くことはできません。
音については、メーカー公表値が55dBです。実際に騒音計で測ったところ、手が届く距離で52〜58.8dB、部屋の扉を1枚隔てた場所では35.3〜40.7dBでした。扉1枚を隔てれば、冷蔵庫の動作音と同程度まで下がります。音の出方にも特徴があり、内部の筒を切り替える構造のため、一定の間隔で音が大きくなったり小さくなったりします。
搬入も見落としやすい部分です。梱包された状態で23.7kgあり、箱が大きいため体から離れた位置で支えることになります。階段のある住宅では、到着日に手伝ってくれる人がいると安心です。
対策
設置予定の場所は、ケージの寸法だけでなく濃縮器を置くぶんも含めて測っておきましょう。目安として、縦横で55cm×110cm程度の余裕を見ておくと計算しやすくなります。
音が気になる場合は、寝室そのものではなく隣の部屋に置けないかを検討してください。扉1枚で体感が大きく変わります。
実際に置いたときの写真と寸法、稼働音の動画は、置き場所と音を実測した記録に載せています。
デメリット③:猫がケージを嫌がることがある
デメリット③:猫がケージを嫌がることがある
猫は環境の変化に敏感な動物です。慣れないケージに入れられることでかえってストレスを感じ、落ち着かない場合があります。特に高齢の猫は、生活パターンの変化そのものが負担になることがあります。
対策
普段使っているタオルやベッドをケージ内に入れる、短時間から慣らすなど、猫のペースに合わせて導入するのが基本です。嫌がって暴れる場合は無理に入れず、獣医師に相談してください。
当サイトで15歳の猫に試したときは、次の順番で進めました。まず酸素を入れず、扉も閉めない状態でケージを数日置いておきます。次に、いつも使っているクッションを中に入れます。そのうえで、自分から入ってくるのを待ちました。
警戒心の強い子ほど、この段階を飛ばさないほうが結果的に早く使えるようになります。「今日から使いたい」という状況では焦りますが、無理に入れて嫌な記憶がつくと、そのあとがかえって難しくなります。
デメリット④:停電・故障時に酸素供給が止まるリスクがある
酸素濃縮器は電気で動くため、停電や機器の故障が起きると酸素供給が止まります。呼吸状態が不安定な猫にとって、このリスクは軽視できません。
対策
故障時の交換対応や電話サポートがあるサービスを選ぶことが最も現実的な備えです。契約前にサポート体制を必ず確認しましょう。
このとき、あわせて確認しておきたいのがサポートの受付時間です。オーツーペットの電話サポートは20時までで、それ以降の問い合わせは翌日の対応になります。夜間に不具合が起きた場合、その場でメーカーに連絡を取ることはできません。
呼吸状態が不安定で夜間の見守りが必要な段階では、この点を前提に検討してください。「サポートがある」という事実だけでなく、何時まで連絡が取れるのかまで確認しておくと、いざというときの対応を事前に決めておけます。
問い合わせて確認した内容は、サポート体制を確認した記録にまとめています。
デメリット⑤:酸素室は「治療」ではない
最も重要な注意点です。酸素室は呼吸をサポートする補助的なケアであり、病気そのものを治すものではありません。「酸素室に入れているから大丈夫」と通院や治療を後回しにすると、症状の悪化を見逃すおそれがあります。
導入前に必ずかかりつけの獣医師に相談し、治療と併用する形で活用してください。酸素室に期待できることと限界は、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶関連記事:猫の酸素室に効果はある?期待できることと限界をわかりやすく解説
それでも導入する価値はある?判断基準

デメリットを踏まえたうえで、次のような場合は導入を前向きに検討する価値があります。
- 獣医師から在宅での酸素ケアをすすめられている
- 通院だけではカバーしきれない日常の呼吸ケアを補いたい
- 初期費用を抑えられるレンタルなら費用面の折り合いがつく
逆に、獣医師への相談なしに「なんとなく良さそうだから」で導入するのはおすすめしません。
猫の酸素室のデメリットに関連するよくある質問
- 酸素室の副作用は?
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酸素室そのものに薬のような副作用はありませんが、高濃度の酸素環境に長時間さらされることは体への負担につながる可能性が指摘されています。家庭用のレンタル酸素室は標準使用で濃度が上がりすぎない設計になっているため、自己判断で濃度を上げず、機器の標準設定の範囲で使うことが基本です。
- 猫の酸素室を使うときの注意点は?
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主な注意点は、①導入前に必ず獣医師に相談する、②機器の標準設定の範囲で使う、③扉の開閉を最小限にして濃度を保つ、④夏場を中心に温度管理を行う、⑤停電・故障時の対応を確認しておく、の5つです。酸素室は治療ではなく補助的なケアである点も忘れないでください。
- 猫の酸素室をつけっぱなしにしておくとどうなりますか?
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家庭用の酸素室は長時間の連続稼働を想定した設計のものが多く、標準的な使い方であればつけっぱなし自体がすぐ問題になる構造ではありません。ただし濃縮器の排熱による温度上昇や、猫のストレスには注意が必要です。
もうひとつ、機種によっては自動停止のタイマー機能がありません。実際に借りたオーツーペットには搭載されておらず、稼働と停止はすべて手動でした。「夜だけ動かして朝に自動で止める」といった運用を考えている場合は、契約前に確認してください。
電気代についても、つけっぱなしにすると24時間で約182円、30日で約5,454円が目安になります(単価22円/kWhの場合)。1時間あたり約7.6円なので、使う時間から概算できます。ただし何時間使うかは飼い主が決める話ではなく、かかりつけの獣医師の指示に従ってください。
- 猫を酸素室から出すとどうなる?
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ケージから出れば、猫は通常の酸素濃度(約21%)の空気の中で過ごすことになります。体調が安定しているタイミングで出す分には問題ないケースが多いですが、出した直後に呼吸が苦しそうになる場合は、酸素室への依存度が高い状態のサインかもしれません。出し入れのタイミングや時間は、猫の状態に合わせて獣医師と相談して決めてください。
まとめ:デメリットを知ったうえで、賢く導入しよう
- 主なデメリットは費用・設置環境・機器トラブル・猫のストレス・治療ではないことの5つ
- 費用は「月額」ではなく「初月総額+電気代」で比較する。電気代は24時間稼働で30日約5,454円が実測の目安
- 設置には濃縮器とケージを並べて約55cm×110cmのスペースが必要
- 故障リスクは、交換対応と電話サポートのあるサービス選びでカバーできる。受付時間もあわせて確認しておく
- 導入判断は必ず獣医師への相談とセットで
デメリットを理解したうえでの導入なら、「こんなはずじゃなかった」という後悔は避けられます。まずは猫の様子を見ながら、短期のレンタルから試してみてください。
この記事で挙げた費用・設置スペース・稼働音・慣らし方については、当サイトで15歳の猫がいる環境で実際に1か月借りて記録しました。導入前に具体的なイメージを持っておきたい方は、借りて分かったことをまとめた記録をご覧ください。

ペット用酸素室「オーツーペット」
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- 月額13,200円〜でレンタル可能
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長時間使う予定の方は、入れっぱなしにする場合の注意点もあわせて確認しておきましょう。
▶関連記事:猫を酸素室に入れっぱなしにして大丈夫?時間の目安と注意点を解説
参考・出典

